遺言・成年後見・家族信託

遺言書

遺言書により財産分与を決めておくことにより、基本的に遺産分割協議を行うことなく相続や遺贈手続きを進めることができます。相続人の関係が疎遠な場合などその役割は大きいと考えます。

認知症などにより判断力がなくなった場合には、相続が発生する(死亡する)まで財産はそのままになり、預貯金は引き出しができなくなり、不動産は売却などできなくなります。

普通形式の遺言書には、自筆証書遺言書、公正証書遺言書、秘密証書遺言書の形式があります。

公正証書遺言書は、公証人との面談のうえ作成し保管されます。公証人が遺言が本人の意思か、また判断力の有無などを確認します。公証役場の込み具合によりますが作成に日数を要する、相続する財産の額などにより公証役場の手数料が変わってきます。

自筆証書遺言書は、無効にならないよう民法に定める形式を踏まえて作成することが大切です。法務省の遺言書保管制度を利用することができ、紛失をさけられます。

成年後見

親族が近くにいなく、財産管理や日常的な身上監護(法律的な手続き関係など)を必要とする場合に大きな役割を果たすと考えます。 不動産の売却などは家庭裁判所の許可が必要になったり、専門職が後見人になった場合は家庭裁判所の判断により月々の報酬が発生することが多いようです。成年後見には、「法定成年後見」と「任意成年後見」があります。

法定成年後見は、判断力が失われた時に家庭裁判所に申立します。 後見人として親族を推薦することができますが、裁判所の判断により専門職が後見人に就くこともあります。

任意成年後見は、判断力がある時に公正証書で契約書を作成しておきます。後見人はこの契約に基づき就任します。親族などが後見人になった場合、家庭裁判所の判断により専門職の後見監督人が就くことがあります。後見監督人には月々の報酬が発生することが多いようです。

家族信託 

認知症になって判断能力が無くなった場合なども財産の運営管理・処分などができます。また、所有者が亡くなった後に配偶者が引き続き住み、その後子どもに相続させるなども可能です。
比較的新しい制度なので、イメージがつきにくいところがあります。また、信託する信頼できる人がいることが必要です。