始める時期
ある女性が、自分の母親にエンディングノート作りを勧めたそうです。そうしたら母親が、「もう字を書くのは億劫だから」と、言ったそうです。個人差はありますが、年齢を重ねていくとこのようなこともあるようです。エンディングノートは、気力・体力のある段階で取り組むのが良いようです。
ノートを選ぶ
書店の店頭には、いろいろな種類のエンディングノートが並べられています。自分の一生のことを書く、家族があとで見るかもしれないと思うと装丁やページ数も気になるところです。目標は高くですがエンディングノートは、記入に思いのほか時間を要します。幼少のころからの記憶を呼び起こし、それについての自分の想いを綴っていくわけですので。最初は、控えめなものから取り組むことをお勧めします。
また1回だけではなく、数年後には見直しも必要になってくるものと思われます。そう考えると、バインダー式のエンディングノートも今後ありえるでしょう。
最初は、店頭でボリュームの控えめなものを選ぶのが良いでしょう。
目的は
一つには、預貯金・有価証券・不動産・年金・保険・その他の財産や負債(ローンなども)をはっきりさせておくことです。不動産は公共団体の納税通知書から、有価証券は証券会社から、年金は年金機構から、クレジットカードはカード会社からお知らせなどが届きますのでその後の手続きができますが、それまでの会費など掛かることもあります。保険は申請しなければ支払われませんので注意が必要です。また預貯金に関しては、その口座を探すために多くの時間を要します。5年間あるいは10年間引き出しがないと時効となります。残された方のためにも銀行名・支店名・口座番号の情報だけでも残しておくとよいでしょう。引き出しなどの分かりやすい場所に置く、あるいは「書いておいたから、万一の時は見て」と伝えるだけでも。
二つめは、自分の死後の対応です。葬儀のあり方や連絡先、お墓関係です。希望がある場合は、書き留めておきましょう。また、エンディングノートに財産の分与を記載しても遺言としての効力はありません。
三つめです。今までのことを振り返り、このあとをどのように過ごすか見つめなおす時間なのです。残りの時間を自分らしくより良く生きるための一つのツールが、エンディングノートです。これが、終活の大切なテーマでもあります。